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祖父の形見

柳緑花紅。

私の部屋には書を趣味としていた祖父が書いた言葉が額に入れられ飾られています。言葉の意味はその字のごとく柳は緑に、花は紅に、ものごとは自然にあるがままに。

シンプルですが、ものごとの在りようについて深く、そしてすがすがしさとおおらかさを感じる言葉です。

祖父がこの言葉を書にした時は私はまだ子供で、もちろん祖父も私が将来、植物や庭の世界に携わることなど思いもしないことでしたでしょうが、時がたち、祖父は亡くなり、私はいつのまにか花や木を扱うことを生業とするようになりました。

祖父は特別、花などに興味のある人ではなかったように思いますが、形見のようなかたちでその書をもらい、今、私にとってずいぶんと気の効いた言葉をおくってくれたものだなと思います。

柳緑花紅。

私の日々の生業の中でも、日々を生きるうえでも、そのようにあれたらと思っております。


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